【11月11日 AFP】2009年4月6日にイタリア中部を襲った大地震の6日前に、危険性を過小評価する発表をしたことが被害を大きくしたとして地震学者ら7人が過失致死罪に問われていた裁判の上訴審で、被災地ラクイラ(L'Aquila)の高裁は10日、7被告に禁錮6年を言い渡した一審判決を破棄し、6被告を無罪とした。

 残る1被告については、一部の罪状で有罪としたが、犯罪記録が残らない執行猶予付きの禁錮2年へと減刑した。

 高裁の逆転判決を受け、イタリア国立地球物理学火山学研究所(National Institute of Geophysics and VolcanologyINGV)のステファノ・グレスタ(Stefano Gresta)所長は「イタリア科学界全体に対する信頼が回復された」と歓迎する談話を発表した。この裁判の被告の中にはINGVのエンゾ・ボスキ(Enzo Boschi)前所長も含まれていた。

 今回の裁判については、科学そのものを裁くもので、専門家たちが告訴を恐れて危険性評価の公表を止めてしまう恐れがあるなどとして、世界各国の科学者から批判されていた。

 だが、検察側は判決を不服として上訴するとみられる。(c)AFP/Angus MACKINNON