【11月11日 AFP】1983年のグレナダ侵攻(Invasion of Grenada)について、当時のロナルド・レーガン(Ronald Reagan)米大統領が英国のマーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)首相(両氏とも故人)に対し、私的に謝罪した際の録音が公開された。

 カリブ海に位置するグレナダは英連邦の一員で、英連邦の君主である英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)が国家元首でもある。

 米国は当時、グレナダに誕生した共産主義政権を倒すために侵攻したが、その際、レーガン大統領は「ファーストネームで呼び合う仲」と呼ばれるほど親しかったサッチャー英首相に事前に知らせなかった。

 レーガン大統領は電話で、そのためにサッチャー首相に面倒な事態を招いたことを「われわれは深く反省している。もしも今あなたの目の前に私がいたら、ドアから帽子を投げ入れるべきだろう」と述べている。これは、家を訪れた客がドアから帽子を投げ入れてみて、招かれざる客だった場合には、帽子が放り返されてくるという米国の古いことわざに基づいた表現だ。これに対し、サッチャー首相は「その必要はありません」と返答している。

 10分間に及ぶ電話での会話は、米カリフォルニア(California)州シミバレー(Simi Valley)にあるロナルド・レーガン大統領図書館(Ronald Reagan Presidential Foundation and Library)に保管されていたテープから公開された。(c)AFP