【11月10日 AFP】冷戦による欧州分断の象徴だった「ベルリンの壁(Berlin Wall)」崩壊から25年となった9日、ドイツの首都ベルリン(Berlin)市内で記念式典が開かれ、かつて壁があった場所に沿って並べられた数千の光輝く風船が、夜空へと放たれた。東ドイツで育ったアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相(60)は、25年前の壁崩壊は「夢はかなう」ことを証明したと語った。

 ドイツでは7日から一連の記念行事が3日間開催されており、風船飛ばしはそのクライマックスとなった。統一ドイツの象徴、ブランデンブルク門(Brandenburg Gate)で行われた式典には推定100万人が集まった。

 かつて155キロにわたりベルリンを東西に分断していた壁の跡地では、うち15キロの長さに7000個近くの白い風船が設置され、嫌悪の的となっていた壁を再現した。式典では、ベートーベン(Ludwig van Beethoven)の「歓喜の歌(Ode to Joy)」の生演奏に合わせ、風船が夜空に放たれた。

 メルケル首相は、風船飛ばしに先立つ記念式典での演説で「私たちは物事を良い方向に変えることができる──これがベルリンの壁崩壊のメッセージです」と語った。(c)AFP/Deborah COLE