【11月3日 AFP】香港(Hong Kong)で先週末、高級高層マンションの一室から女性2人の遺体が見つかり、この部屋に住む英国人の証券マンが殺人の疑いで逮捕された。うち1人の遺体は、スーツケースに詰められていたとされる。

 逮捕されたのは、最近まで米金融大手バンクオブアメリカ・メリルリンチ(Bank of America Merrill Lynch)に勤めていた証券トレーダーのルリク・ジャティング(Rurik Jutting)容疑者。3日に裁判所に出廷し、次回の審問が開かれる10日までの勾留が言い渡された。

 同容疑者は1日朝、香港中心部の湾仔(Wanchai)地区の高層マンションの31階にある自宅から、自ら警察に通報した。駆けつけた捜査官らは、刃物で刺された形跡のある女性の遺体をリビングで発見。バルコニーに置かれたスーツケースの中から発見されたもう1人の女性の遺体は腐敗が進んでおり、死後数日が経過しているとみられている。地元メディアの報道によると、警察は、被害女性2人はともに売春婦だとみている。インドネシア政府は、うち少なくとも1人はインドネシア人だと発表した。

 香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)によると、警察はジャティング容疑者の携帯電話に保存されていた数千枚の画像を調べており、中には自宅バルコニーに置かれたスーツケースの中にカーペットに包まれた状態で入れられた遺体を写したものもあった。

 英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)を卒業したジャティング容疑者は、クラスメートからは秀才として知られていた。(c)AFP/Dennis CHONG