【11月3日 AFP】西アフリカ・ブルキナファソの実権を掌握した同国軍は2日、27年間わたって同国を統治してきたブレーズ・コンパオレ(Blaise Compaore)大統領を辞任に追い込んだ民衆蜂起後の政権移行を進めるため、統一政府を樹立すると発表した。また同市では同日、軍の実権掌握に抗議する大規模なデモが開かれたが、軍は威嚇射撃を行うなどしてデモ隊を強制排除した。

 ブルキナファソでは先月、コンパオレ大統領のさらなる長期政権を可能にする改憲案に国民が猛反発し、首都ワガドゥグ(Ouagadougou)で議事堂に放火するなど激しい抗議運動が発生。コンパオレ大統領は辞任に追い込まれ、一部からはブルキナファソ版「アラブの春(Arab Spring)」との声も上がっていた。

 だが、ブルキナファソの憲法では大統領が辞任した場合の暫定指導者を議会議長が務めるよう定めているにもかかわらず、軍はコンパオレ大統領辞任の翌日、大統領警護隊副司令官のイサク・ジダ(Isaac Zida)中佐(49)を国の暫定指導者に指名、実権の掌握を宣言していた。

 これに対し、ワガドゥグ市内では2日、軍の権力掌握に抗議する野党や市民運動指導者らによるデモの呼び掛けに応じた数千人が、「われわれの革命を兵士が盗んだ」「ジダは出て行け!」などと書かれたプラカードを掲げてデモ集会に参加。デモ隊の一部は国営テレビ放送局に向かった。国営放送局では野党指導者2人が自らを暫定指導者とする宣言を放送しようとしたものの、技術スタッフが職務を放棄したため失敗に終わった。

 軍は、民政復帰を求める国際社会やデモ隊の声に耳を傾ける姿勢を見せず、ナシオン広場(Place de la Nation)のデモ隊を催涙弾や威嚇射撃で排除。国営テレビ局を占拠し、武力を誇示した。(c)AFP/Romaric Ollo HIEN and David ESNAULT