【11月3日 AFP】エジプト・カイロ(Cairo)の裁判所は1日、「同性婚」を写したとされる動画をめぐり起訴されていた男性8人に対し、禁錮3年の実刑判決を言い渡した。

 問題とされた動画は、ナイル(Nile)川を航行する船上で撮影されたもので、友人らに囲まれた男性2人がキスを交わした後、指輪を交換し、2人の写真が載ったケーキにナイフを入れる様子が写されている。検察側はこれが「同性同士の結婚式」を撮影したものと主張していた。

 エジプトには同性愛を禁じる法律は存在しないため、8人は「風俗を乱す」映像を流布した罪で有罪とされた。8人にはまた、刑期を終えた後の3年間の保護観察処分も言い渡された。

 問題となった動画は、瞬く間にフェイスブック(Facebook)やツイッター(Twitter)、ユーチューブ(YouTube)などのソーシャルメディアで拡散。男性らは9月に逮捕されていた。

 弁護側は、被告8人は同性愛者ではないと主張している。司法省関係者が1日の公判前にAFPに語ったところによると、8人に対しては直腸検査の結果、受動的な肛門性交は経験していなかったとの結果が出ていた。この検査はエジプトで同性愛の疑いをかけられた男性に頻繁に実施されているもので、人権団体の非難の的となっている。

 エジプトではこのところ、同性愛の疑いのある男性らに対する警察の取り締まりが注目を浴びている。米国発の同性愛者向け出会い系アプリ「グラインダー(Grindr)」の運営者らは、エジプト警察が同アプリを利用して同性愛者のおとり捜査を行っている恐れがあるとして、注意を呼び掛けていた。(c)AFP/Haitham EL-TABEI