【11月2日 AFP】ブルキナファソの野党と市民グループの指導者らは1日、ブレーズ・コンパオレ(Blaise Compaore)大統領辞任後に実権を掌握した軍に抗議する大規模なデモを呼び掛けた。

 27年間政権の座にあったコンパオレ大統領は、さらなる長期政権を可能にするため憲法改正を図ったものの、議事堂が放火されるなどの激しい抗議活動が起きたため辞任に追い込まれた。翌日、軍はイサク・ジダ(Isaac Zida)中佐(49)を国の暫定指導者に指名した。

 一部の専門家が「アラブの春(Arab Spring)」になぞらえたブルキナファソの政変は、コンパオレ氏以外にも複数の国家指導者が長期政権の維持を図っているアフリカ各地で強い関心を集めている。

 先に権力掌握を表明していたナベレ・オノレ・トラオレ(Nabere Honore Traore)陸軍参謀長を出し抜く形で暫定指導者となったジダ氏は、市民団体と緊密に連携していく方針を表明したが、政権移行計画の詳細については言及を避けている。

 ただ、野党側と市民団体の指導者らは直ちに声明を発表し、軍の実権掌握をけん制して「文民による民主的な政権移行」を要求。また、週の初めに大統領辞任を求めて約100万人が集結した首都ワガドゥグ(Ouagadougou)市内の通称「革命広場(Revolution Square)」で、2日に新たな大規模抗議デモを行うよう呼びかけた。

 こうした市民団体の呼びかけは、自由選挙による「文民主導で合意に基づく政権移行」をブルキナファソに促したアフリカ連合(AU)が支持するとみられる。

■コンパオレ氏はコートジボワール国内に

 仏外交筋は、コンパオレ氏はワガドゥグを31日に離れたと話していた。ジダ氏は1日、コンパオレ氏は「安全な場所」にいて「身の安全を保証されている」とテレビで語った。隣国コートジボワールの大統領は、コンパオレ氏がコートジボワール国内に滞在中だとする報道は事実だと確認した。

 コートジボワールのある住民は、約30台の車列がコートジボワールの首都にある各国要人の滞在先としてもよく利用されている高級ホテルに向かうのを見たと話している。(c)AFP/Romaric Ollo HIEN