【11月2日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は10月31日、土星探査機カッシーニ(Cassini)が近赤外線で観測したデータから作成した土星最大の衛星タイタン(Titan)のモザイク画像を公開した。

 画像の左上、11時の方向にある北極地域で、太陽光が湖の表面で観測方向にほぼ鏡面反射される「サングリント」という現象が起きているのが分かる。

「反射点」とも呼ばれるこの非常に明るい部分は、タイタンの最大の湖であるクラーケン海(Kraken Mare)の南、湖を2分する群島の北に当たる。

 この画像は今年8月21日、カッシーニがタイタンに接近した際に撮影したもの。カッシーニは過去にタイタンの極地方の湖やサングリントの画像を別々に撮影したことはあったが、その両方を1枚の画像の中で捉えたのは今回が初めて。

 画像には実際の色の情報が含まれているが、肉眼で見ることができる自然色ではないため着色加工してある。この画像で赤は5.0マイクロメートル、緑は2.0マイクロメートル、青は1.3マイクロメートルの波長の電磁波が放出されている部分を示している。

 これらの波長の電磁波ならばタイタンの大気による散乱や吸収の影響をほとんど受けずに地表を観測することができる。仮に肉眼でタイタンを観測したとしても、もや以外には何も見えないはずだ。(c)AFP