【10月31日 AFP】イスラエルが実効支配する東エルサレム(East Jerusalem)で、ラビ(ユダヤ教指導者)殺害を図ったとされるパレスチナ人容疑者がイスラエルの警官に射殺された事件を受けて、パレスチナ住民とイスラエルの治安部隊の衝突が激化している。

 東エルサレムではこの数か月、パレスチナ住民とイスラエルの警官隊が緊張状態にあり、ほぼ連日衝突が起きている。だが29日夜の射殺事件を受け、緊張状態がさらに高まった。

 イスラエルは30日、高まった緊張を緩和するためとしてユダヤ人とパレスチナ人がともに神聖視する「神殿の丘」に立つイスラム寺院「アルアクサ・モスク(Al-Aqsa Mosque)」を数十年ぶりに封鎖した。

 これに対し、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長はイスラエルの「宣戦布告」だと非難し、米国もイスラム教徒のモスク立ち入りを許可するよう要請。イスラエルは31日、アルアクサ・モスクの封鎖を解除した。

 これに先立ち、イスラエル警察当局のルバ・サムリ(Luba Samri)広報担当はAFPの取材に、「31日未明に明け方の礼拝者のために」モスクの封鎖を解除するが、暴動の恐れがあるため、イスラム教徒の男性については50人までに制限し、イスラム教徒以外の立ち入り禁止を続ける計画と語っていた。(c)AFP