【10月31日 MODE PRESS】映画監督のバズ・ラーマン(Baz Luhrmann)氏が、自身の監督作品『華麗なるギャツビー(The Great Gatsby)』の成功の鍵が衣装デザインにあったと考えていると明かした。

 同氏は、米作家F・スコット・フィッツジェラルド(F. Scott Fitzgerald)の同名小説を映画化したこの作品で、もし衣装が完璧でなかったら、観客から同じような共感は引き出せなかったはずだと語った。

 「衣装は観客の直感に働きがけて心をひきつけます。『ギャツビー』で伝えたかったのは、当時の新しい洋服が与えたショックでした。年配の世代にとってはあのひらひらしたスリップドレスは下着のように見えるでしょう。時代考証を完璧にして、忠実に再現する必要はないんです。例えばポインテッドトゥのパンプスが観客に与える印象が1920年代と現代とで異なっているのであれば、それをスクエアトゥに替えても構わないと考えています」とラーマン監督。

 最近では、スーパーモデルのジゼル・ブンチェン(Gisele Bundchen)を起用した「シャネル(Chanel)」の香水「No.5」のキャンペーンムービーを手がけたラーマン監督は、妻でコスチュームデザイナーのキャサリン・マーティン(Catherine Martin)と共に制作した同作品が「本物らしさに欠ける」という批判に反論した。

 ラーマン監督は、「(映画が)本物らしくないと非難されることもありますが、キャサリンと私ほど徹底的に下調べをした人はいないはずです。だからシャネルの広告も任されたのでしょう。私たちは昼夜を問わずアーカイブを徹底的に調べられますし、シャネルのときも実際そうしました。それこそが私たちの幸せなのです」と語った。(c)Bang Showbiz/MODE PRESS