【10月30日 AFP】アフリカで働く中国人が急増していることと、中国国内の感染症対策が不十分であることから、中国はエボラ出血熱の流行に「ぜい弱」であるとの見解を、エボラウイルスの共同発見者のピーター・ピオット(Peter Piot)氏が30日、語った。

 ベルギー生まれの微生物学者ピオット氏はまた、空港でのスクリーニング検査はほぼ効果がないことが、過去のウイルスの流行の経験から分かっていると指摘し、世界保健機関(World Health OrganizationWHO)の最初の対応が「遅かった」との批判を改めて述べた。

 中国はアフリカ諸国の最大の貿易相手国で、中国当局は近年、世界第2の自国の経済を支える資源を求めて、アフリカのさまざまな地域へと外交を広げていた。

「数万人規模の中国人が今、アフリカにいる」とピオット氏は都内で開かれたエボラ熱に関するセミナーで語った。また同氏は「だからそのうちの1人が中国に帰国するのは不可能ではない。そのことのほうが、アフリカ人が中国入りすることよりも、私は懸念している」と述べ、さらに、中国の公共病院の治療の質も懸念材料だと付け加えた。

「人が旅行するのを本当に阻止することはできない。だから感染者は世界中のどこの国にでも現れうる。だが私は中国が非常にぜい弱だと思った」とピオット氏は語った。(c)AFP/Harumi OZAWA