【10月30日 AFP】「一人っ子政策」を緩和した中国で、第2子をもうける申請をする夫婦が予想よりも大幅に少ないことが明らかになったと、中国国営メディアが30日、伝えた。中国の高齢化問題が浮き彫りとなった。

 世界で人口が最も多い国である中国は、カップル1組につき子どもを1人のみに制限する政策を1970年代後半に導入した。だが昨年11月、中国共産党は、夫婦のどちらか一方が一人っ子の場合に限り、2人目の子どもを持つことを認める緩和措置に合意した。

 これにより、年間200万人以上の出産増を当局は見込んでいた。だが、中国国家衛生計画出産委員会(National Health and Family Planning Commission)の統計を引用した国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)によると、申請する権利を有する1100万世帯のうち、8月末までに申請があったのはわずか70万世帯だった。70万世帯のうち62万世帯に第2子出産の承認が与えられたという。

 中国国家統計局(National Bureau of Statistics)が今年1月に発表した中国の人口は13億6000万人。一方で生産年齢人口は昨年1年間で244万人減少した。また60歳以上の人口は全体の14.9%を占めた。予測では、60歳以上の人口は2030年までに3億5000万人に上り、人口の4人に1人が60歳以上になる見通しだ。

 第2子出産の申請が予想よりも大幅に少なかった理由について、北京大学( Peking University)社会学部の陸傑華(Lu Jiehua)教授は、特に都市部で出産や子どもに対する考え方が変化したことを反映している可能性があるとの見解を述べた。(c)AFP