【10月30日 AFP】英ロンドン(London)にアメリカンフットボールの球団を創設することで、年間1億ポンド(約174億円)以上の経済効果が見込めるという。29日、国際会計事務所デロイト(Deloitte)が発行した報告書で明らかになった。

 2007年シーズンから始まったロンドンでの試合開催は、26日にウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われたアトランタ・ファルコンズ(Atlanta Falcons)対デトロイト・ライオンズ(Detroit Lions)戦で、通算10回目を迎えた。

 NFLの情報提供によりデロイトがまとめた報告によれば、2013年にロンドンで開催されたNFLの2試合は約3200万ポンド(約56億円)の経済効果を生み、これが4試合になれば、5800万ポンド(約101億円)の効果が期待できるという。

 報告書は最後に、ロンドンに球団が発足することで、英国に毎年1億200万ポンド(約177億7500万円)の経済効果をもたらすだろうとまとめた。

 リーグのマイク・ウォーラー(Mike Waller)氏と話し合いを持った英国のジョージ・オズボーン(George Osborne)財務相は先週、ウェンブリー(Wembley)にNFLの球団を創設することを、同国政府は支持すると話した。

 もし球団が創設されることになれば、1シーズンに8試合開催することを目指すという。

 しかし、デロイトはスーパーボウルの開催について疑問符をつけており、英国の市場が「スーパーボウルの商業的インパクトを最大限に生かす能力」、「物流の問題」、そして「中心的な役割を担う米国のNFL市場の反応」を懸念事項に挙げている。

 英NFLの担当者は、チーム設立を具体的に検討していることを、先月の時点で明かしている。

 担当者は、BBCラジオ5ライブ(BBC Radio Five Live)に対し、「英国を拠点とした球団を創設する案を前向きに検討しており、実現できるかどうか模索している」とし、「このスポーツをどうやって主流にしていくかということ」と話した。

 NFLの球団がウェンブリーに創設されれば、ウェンブリー・スタジアムを所有するイングランドサッカー協会(Football AssociationFA)も恩恵にあずかることになる。

 同スタジアムの最高責任者は、NFLの8試合を開催することに前向きな姿勢をみせており、「サッカーが優先だが、賛成だ」とコメントしている。(c)AFP