【10月30日 AFP】西アフリカから米国に帰国した際に強制隔離措置を課された女性看護師が、30日までに隔離措置が解除されなければ当局を提訴すると表明した。

 緊急医療援助団体「国境なき医師団(Doctors Without BordersMSF)」のメンバーとしてシエラレオネでエボラ熱患者の治療活動に従事したケーシー・ヒコックス(Kaci Hickox)さん(29)は先週、ニュージャージー(New Jersey)州のニューアーク国際空港(Newark Liberty International Airport)に到着した際、エボラ出血熱の症状がみられないにもかかわらず、同州の病院の屋外テントに数日間にわたり強制隔離された。その後、メーン(Maine)州フォートケント(Fort Kent)の自宅に戻ったが、ここでも当局によって自宅待機を求められていた。

 ヒコックスさんは、インターネット電話サービス「スカイプ(Skype)」を通じて米テレビABCの取材に応じ、「法廷で自由を勝ち取るつもりだ」と述べ、「帰国してからずっと、(エボラ出血熱の)症状とはまったく無縁だ。体調も最高にいい」と語った。

 一方、後手のエボラ熱対策が批判されているバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は29日、西アフリカに渡りエボラ熱患者の治療にあたっている米国人医療従事者たちに謝意を示すとともに、国民に冷静な対応を求めた。

 また、米政権は「恐怖ではなく科学的」根拠に基づいて対応していると強調し、米国でのエボラ感染を防ぐ最善の方法は、流行の震源地であるギニア、リベリア、シエラレオネでエボラ出血熱を食い止めることだと語った。(c)AFP