【10月29日 AFP】英国の道路を裸で歩き回って何度も逮捕され、計7年以上を刑務所で過ごした英国人男性が、英政府に権利を侵害されたとして欧州人権裁判所(European Court of Human RightsECHR)に訴え出た訴訟で、同裁判所は28日、男性の訴えを退けた。

 英国を裸で2回歩いて縦断したことのある元英海兵隊員のスティーブン・ゴフ(Stephen Gough)氏(55)はECHRに対し、英国政府によって、表現の自由と私的生活の尊重の権利を侵害されたと訴えていた。

 判決でECHRは「本件は原告のかたくなな姿勢のために、通常それ自体は微罪でしかない事柄によって原告が相当期間、服役したという点で厄介である。しかし、原告の服役は、刑法に違反した場合の結果を十分に承知しながら繰り返し違反を犯した結果である」と述べた。

 英国でゴフ氏は、起訴された裁判にも裸で出廷したり、刑務所から釈放され、何も着ないで刑務所を出て、そのまま法の裁きの下へ舞い戻ったこともあった。

「ある行為が他人には不快に映るかもしれないと考える感受性を一切見せることなく、裁判所や刑務所の共用部分、飛行機の機内など、いつでもどんなところでも自分が裸でいる権利に、ただ執着している」と批判した判決に対し、ゴフ氏は失望したと述べつつ、これからも続けると誓った。(c)AFP