【10月29日 AFP】「先生!火を吹かせることができました!」10歳のジョーが机のノートパソコンを指差して叫んだ。彼がプログラムした竜が、ギリシャの英雄ヘラクレス(Heracles)の顔に炎を吹き付けたのだ。

 英ロンドン(London)南部ランスロット(Launcelot)にある学校の教室では、ジョーが使った一連のコマンドを試して仮想の戦闘場面を作成する児童たちの歓声が広がった。

 英イングランド(England)では今年9月から、プログラミングが公的資金を受けた学校に通う5歳以上の子供の必修科目となった。

 21世紀の社会で競争していくために必要な技能を子どもたちが身につけていないとの経済界からの警告を受け、政府はコンピューターカリキュラムを徹底的に見直した。今では子どもたちはコンピューターゲームでただ単に遊ぶのではなく、それを作成する方法を学んでいるのだ。

 多くの人にとって「プログラミング」という言葉が連想させるのは、背中を曲げた人たちが猛烈な勢いでタイプした、コンピューター画面上の悪夢のようなたくさんのテキストというイメージだ。

 だが、この小学生たちが使う基礎的なアニメーションソフトでは、前進せよ、とか後進せよ、盾を上げよ、といったコマンドを選び、それらを順序正しく並べていけば、鮮やかな色彩のキャラクターたちに生命を与えることができる。