【10月29日 AFP】2013年4月に死者3人と負傷者264人を出した米ボストン・マラソン(Boston Marathon)爆破事件の裁判では、実行犯とされるジョハル・ツァルナエフ(Dzhokhar Tsarnaev)被告の友人で、米連邦捜査局(FBI)に虚偽の証言をし、証拠を隠滅したとされる3人に、7~25年の長期刑が言い渡される見込みだ。

 事件の捜査を妨害したとされるのは、2人のカザフスタン留学生、ディアス・カディルバエフ(Dias Kadyrbayev)被告(20)とアザマト・タジャヤコフ(Azamat Tazhayakov)被告(20)、マサチューセッツ(Massachusetts)州ケンブリッジ(Cambridge)在住のロベル・フィリポス(Robel Phillipos)被告(21)の3人。

 28日には、捜査官に虚偽の証言をした2件の罪でフィリポス被告に有罪評決が言い渡された。来年1月に量刑言い渡しがあり、最高で禁錮16年が科される可能性がある。タジャヤコフ被告は7月に有罪評決が言い渡され、カディルバエフ被告は8月に有罪を認めた。11月には、両被告にそれぞれ、最高で25年と7年の実刑が言い渡される可能性がある。

 チェチェン系のジョハル被告は、同じロシア語を話すカディルバエフ、タジャヤコフ両被告と、マサチューセッツ大学ダートマス校(University of Massachusetts, Dartmouth)で知り合い、友人になった。またエチオピア系移民のフィリポス被告は事件当時、既に同大を退学していたが、高校でジョハル被告と同級生だった。

 3人は事件後にFBIが公表した容疑者のビデオにジョハル被告が写されているのを見て、大学寮の同被告の部屋へ向かった。検察によると、カディルバエフとタジャヤコフの両被告は、逃走中だったジョハル被告を守るため、部屋にあったリュックサックを外のごみ箱へ捨て、パソコンを隠し持っていたとされる。リュックサックの中には、爆発物を作成した際に使ったと思われる花火などが入っており、FBIが捜査官30人を動員し2日間かけてごみ埋め立て地を捜索した結果、事件の1週間後に発見・回収された。

 ジョハル被告の兄で、事件の共犯とされるタメルラン・ツァルナエフ(Tamerlan Tsarnaev)容疑者は、事件から数日後に警察との銃撃戦で死亡している。弟のジョハル被告は殺人など30の罪で起訴されており、来年1月から始まる裁判で死刑が言い渡される可能性がある。(c)AFP