■スウェーデン人以外には当てはまらない可能性も

 ただ研究チームは、今回出た結果が、異なった乳糖(ラクトース)耐性を持つ別の民族グループには当てはまらない可能性を指摘している。また、牛乳の栄養レベルは、栄養価の強化や、乳牛の飼料などによっても違いが生まれる。

 また、研究結果は、「因果関係の逆転」と呼ばれる現象でも説明できる可能性がある。骨折の恐れが高くなる骨粗しょう症を患う人が、牛乳の摂取量を増やし、骨折が起きた際にその原因が牛乳にあるとされてしまう可能性だ。

 研究の欠点を指摘する専門家もいる。研究では、食生活の研究でありがちな欠点として、牛乳摂取量の記録を自己申告に頼っている他、対象となった男女の身体活動の種類(骨が強化される体重負荷運動であるか否か)を特定していない。

 ロンドン(London)のセント・ジョージ病院(St George's Hospital)のキャサリン・コリンズ(Catherine Collins)主任栄養士は、この研究が「答えよりも多くの疑問を生み出した」と指摘している。(c)AFP/Mariette LE ROUX