【10月29日 AFP】北朝鮮が、モバイル向けゲームアプリを装ったマルウエア(悪意のあるソフトウエア)を使い、韓国内のスマートフォン(多機能携帯電話)数万台のハッキングを試みていたとする報告書が今週、韓国の情報機関、国家情報院(National Intelligence ServiceNIS)によって同国の議員らに提出された。

 与党・セヌリ党(Saenuri Party)の李喆雨(イ・チョルウ、Lee Cheol-Woo)議員の補佐官がAFPの取材に語ったところによると、このマルウエアは5月から9月に韓国の複数のウェブサイトで公開されていたもので、これまでに2万台以上のスマートフォンが感染した可能性があると、NISは報告した。

 NISは、政府やウェブサイトの所有者と連携してマルウエアを削除し、ハッキングの経路を遮断したという。

 報告書ではまた、2010年から今年9月までに政府機関やその関係機関に対し7万5000件以上のハッキング未遂があり、その多くは北朝鮮からのものとみられていることも明らかにされた。

 韓国では近年、サイバー攻撃用のマルウエアやウイルスを仕込んだメールが、軍や銀行、政府機関、テレビ局、メディアのウェブサイトなどに対し使用される例が相次いでいる。これまでの捜査で、過去の大規模なサイバー攻撃は北朝鮮からによるものだとの結論が出されている。

 北朝鮮は3000人規模のサイバー戦専門精鋭部隊を運用しているとみられているが、北朝鮮は韓国へのサイバー攻撃を否定し、韓国が緊張をあおるために話をでっち上げていると非難している。(c)AFP