【10月29日 AFP】(写真追加)イラクのクルド人自治区の治安部隊ペシュメルガ(Peshmerga)の戦闘員らが28日、シリア北部の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)でイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」と戦っているクルド人部隊を支援するため、重武装してイラク北部の基地から出発した。

 AFP記者によると、武器を積み込んだ軍用トラックが、イラクのクルド人自治区の中心都市アルビル(Arbil)の北東にある基地から、トルコ国境にある包囲されたコバニへ向けて出発したという。

 クルド人幹部の話では、戦闘員80人が30台以上の車両に分乗し、マシンガンや迫撃砲を載せて陸路コバニに向かったという。28日にイラク国境を越えてトルコ領内へ入り、そのままトルコ経由でコバニを目指す。

 一行は2台のけん引砲を運んでいる他、ほろ付きトラックも多数加わった。一部のトラックはロケット弾の発射装置を積んでいるという。また空路でトルコ入りする戦闘員も72人おり、29日早くに合流するとしている。

 トルコ政府が先週、ペシュメルガの戦闘員がコバニ入りする際にトルコ領内を通過することを容認する方針を示して以来、コバニのクルド人部隊はペシュメルガ戦闘員らの到着を何日も待ちわびてきた。

 トルコ政府がペシュメルガ戦闘員の領内通過を遅らせていたという報道もあったが、メブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)トルコ外相はこれを否定。国営アナトリア(Anatolia)通信はチャブシオール外相が、「もはや政治的な問題はない。彼ら(ペシュメルガ戦闘員ら)が通過するのに問題はない。いつ通っても構わない」と話したと伝えた。

 コバニのクルド人部隊は、数週間にわたるイスラム国の攻撃に耐えており、今やコバニは国際社会のイスラム国に対する戦いの象徴と捉えられている。(c)AFP/Abdel Hamid Zebari with Fulya Ozerkan in Mursitpinar