【10月28日 Relaxnews】閉店後の書店に否応なく閉じ込められることと、欧州最大の書店の中で友人と食べ物や本に囲まれて一夜を過ごすこととは、全く別の話だ。今月、米国人旅行者をうっかり店内に残したまま閉店してしまった英大手書店チェーン「ウオーターストーンズ(Waterstones)」が、宿泊予約サイトと提携して「書店お泊まり会」を開催した。

 英ロンドン(London)のウオーターストーンズ店舗では16日夜、米テキサス(Texas)州からの旅行者デービッド・ウィリス(David Willis)さんが閉店後の店内に閉じ込められ、マイクロブログのツイッター(Twitter)で助けを求めるという珍事件が発生した。

「やあ@Waterstones、トラファルガー広場(Trafalgar Square)店に閉じ込められているんだ。もう2時間が経つ。助けてくれ」

 このつぶやきは瞬く間に拡散し、ツイッターユーザーたちからさまざまな助言が寄せられた。このかわいそうな男性を助けるため、あるいはこの状況をからかって、ウオーターストーンズ公式アカウントに宛てても多くのリツイートがされた。

 この騒動を受けて、ウオーターストーンズは宿泊予約サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」と提携し、読書愛好家とその友人ら10人を招待して、店舗の1つで閉店後に「お泊まり会」を開催した。

 8階建ての店内をぐるりと回るスペシャルツアーや、心理学者で睡眠の専門家のリチャード・ワイズマン(Richard Wiseman)氏による良い眠りについての講演会も実施。エアベッドのほか、おつまみと朝食も提供され、店内の15万冊に上る本は読み放題という、「本の虫」にとっては夢のようなイベントだ。

 応募者には、書店に一晩閉じ込められた場合に読みたい本のタイトルが質問され、「読みたい本トップ10」になった書名を答えた応募者の中から抽選で10人がお泊り会に招待された。(c)Relaxnews/AFPBB News