【10月27日 AFP】カナダの首都オタワ(Ottawa)で22日に兵士を射殺し国会議事堂に侵入して警察に射殺されたマイケル・ゼハフビボー(Michael Zehaf-Bibeau)容疑者の母親が、一般に向けて声明を発表し、同容疑者は正気を失い、殺されることを望んでいたと述べた。

 母親のスーザン・ビボー(Susan Bibeau)さんは、26日付のカナダ日刊紙ナショナル・ポスト(National Post)に掲載されたポストメディア・ニュース(Postmedia News)宛ての声明で、疎遠になっていた息子について、シリアに渡航し武装勢力に加わろうとしていたとの警察発表を否定。息子はイスラム教とコーランを学ぶためにサウジアラビアへの渡航を希望していたと主張した。

 だが、パスポート(旅券)の申請が繰り返し拒絶されたため、「今ある人生に留まることも、望む方向に進むこともできなくなった」容疑者は、「怒り、行き場を失ったと感じ、抜け出す方法は死しかなかった」と、スーザンさんはつづっている。

 また、息子は大きな精神的問題を抱えていたと主張し、「多くの人は息子をテロリストと呼ぶでしょう。(だが、)私は息子が何らかの組織の一員だったり、ある壮大な思想や政治的動機のために行動したりしたとは思わない」と述べている。だが一方で、息子の殺人行為については「無分別な暴力行為」と非難している。

 カナダ連邦警察(Royal Canadian Mounted PoliceRCMP)のマイク・カバナ(Mike Cabana)警視副総裁はナショナル・ポスト紙に対し、スーザンさんへの聞き取り調査の録音を聞き直したところ、ゼハフビボー容疑者がシリア渡航を意図していたとの警察の発表は誤りであることが分かったと認めた。(c)AFP