【10月24日 AFP】ボクシングの世界王者マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)は23日、母国フィリピンでプロバスケットボールをしながらも、まだ戦うことに対して「ハングリーさ」はあると語った。

 ボクシングで8階級制覇を飾った35歳のパッキャオは、11月23日にマカオで無敗のクリス・アルギエリ(Chris Algieri、米国)とのWBO世界ウェルター級王座防衛戦を控える中、19日にプロバスケットボール選手として精彩を欠いたデビューを飾った。

 トレーニングを行っている同国南部ジェネラルサントス(General Santos)で電話会見に臨んだパッキャオは、「まだハングリーさはあるし、これまで通りのことをやっている」と語った。

「今ボクらがやっているのは、ハングリー精神と集中力、そしてみんなが求める闘争本能を取り戻すこと」

 パッキャオは、母国で最も人気のあるスポーツのバスケットボールにも愛着があるとしているが、今現在はしっかりとボクシングに集中している。

「バスケットボールでも、フットワークやバランス力を持っていることは良いことだ。かなり役立つ」とし、「クロストレーニング」としての活動だと表現した。

 しかし、プロモーターを務めるボブ・アラム(Bob Arum)氏は、パッキャオがプロバスケットボールでプレーすることを知らされたとき、「かなり不満があった」と明かした。

「どこの国でプレーしようが、プロバスケットボールは厳しいものだし、選手は本当に簡単に足首をひねってしまう」

「米プロバスケットボール協会(NBA)の選手は素晴らしいフィジカルを備えているが、それでも、いつだって負傷する」

「負傷は(ボクシングの)試合に大損害を与える。だから満足はできない」

 それでもアラム氏は、パッキャオがマカオでの試合を終えるまでバスケットボールの試合に出場しないことを確約したと明かした。

「試合の後であれば、もし彼がニューヨーク・ニックス(New York Knicks)のトライアウトを受けても私は構わないよ」

 アラム氏はまた、余暇にバイクに乗るなど「クレイジーなこと」をしている他のボクシング選手とは違い、リスクのある活動を防ごうと試みる必要は無いとの考えを示した。

「マニーとは、ほかの選手と違った関係がある。互いに尊敬しあい、信頼しあっているから契約にそういったことを含めることはしない」

 デビュー戦でパッキャオは、選手兼コーチを務める起亜ソレント(Kia Sorento)のシューティングガードとして先発出場すると、2つのターンオーバーと1つのファウルを犯して無得点に終わった。残した数字から、パッキャオがこのレベルでプレーするだけの能力を持ち合わせているのかという疑問の声がファンから上がっている。(c)AFP