【10月24日 AFP】イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)を指揮するブレンダン・ロジャーズ(Brendan Rodgers)監督が、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2014-15)のレアル・マドリード(Real Madrid)戦でまたしても低調なプレーに終わったマリオ・バロテッリ(Mario Barwauh Balotelli)について、まだ見限ってはいないとコメントした。

 チームが0-3で完敗したレアル戦で、バロテッリは前半だけで交代させられた。さらに悪いことに、その時点で3点差をつけられていたにもかかわらず、バロテッリはハーフタイムにレアルのペペ(Pepe)とユニホームを交換していたことが発覚している。

 バロテッリは、イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)から推定1600万ポンド(約27億円)で加入した今季、リバプールで10試合に出場して1得点にとどまり、元リバプール主将のグレアム・スーネス(Graeme Souness)氏からは、「サッカー脳」が足りないと酷評されている。

 リバプールでは、守備の崩壊、ダニエル・スターリッジ(Daniel Sturridge)の長期離脱、昨季リーグ戦31得点を挙げたルイス・スアレス(Luis Suarez)の移籍など問題が山積しており、スアレスの代役と期待されたバロテッリの不発が、それに拍車をかけている。

 それでも監督は、バロテッリが全力でサッカーに取り組んでいると強調し、その選手の個性がチーム全体の色と合ってさえいれば、「変わった」選手も歓迎だとコメントした。

 監督は「私にとっては、マリオ・バロテッリ劇場は特別なものではない。彼も他の選手と同じように扱っている」と解説した。

「われわれには、どうプレーすべきか、どう仕事に臨むべきか、どうクラブを代表すべきかというチームのイメージというものがある」

「私は変わっている選手が好きだ。髪形でも派手なスパイクでも、個性を持った人間が好きなんだ。ただしそこには、独りよがりでない限りという条件が付く。重要なのはそこだ」

「選手はこのチームのやり方に馴染まなくてはならないし、しばらくたってもそれができないようであれば、ここで働くのは難しくなるかもしれない」

「しかしその意味では、マリオは本当に一生懸命やっているし、リバプールでベストを尽くしている」

「そしてベストを尽くしている限り、監督として私に求められるほかに何もない。今のベストで十分かどうかはまだ分からないが、それはどの選手にとっても同じことだ。マリオに限った話じゃない」

 ハーフタイム中のユニホーム交換には感心していないロジャーズ監督だが、その話題を振られると、「何か処分を下すとしても、話は内輪で済ませるつもりだ」と話した。

「マリオとはこの国の文化、特にリバプールの文化について話し合った。それはそれ、もう終わった話だ」

 一方で、自身もリバプールを指揮した経験があるスーネス氏は、バロテッリの件について、これまで一流監督でも扱いきれなかった規格外のFWを、自分ならもっとうまく使えると思ったロジャーズ監督にも責任の一端があると話している。

「ロベルト・マンチーニ(Roberto Mancini)は二度、ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)は一度、彼を見てすぐにこう言った。『この選手とは一緒に仕事はできない』と。クラウディオ・チェーザレ・プランデッリ(Claudio Cesare Prandelli)はW杯(2014 World Cup)の後、彼をブラジルへ連れて行ったのは大きな過ちだったと認めた」

「いったい何を根拠に、(ロジャーズ監督は)バロテッリから何か違うものを引き出せると思ったんだろうか」

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