【10月23日 AFP】2015ツール・ド・フランス(2015 Tour de France)のコースが22日に発表され、通算2度の優勝を誇るチーム・サクソ・ティンコフ(Team Saxo-Tinkoff)のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)は、山岳ルートが続くコース設定を歓迎し、第98回ジロ・デ・イタリア(2015 Giro d'Italia)との2冠を目指すと意欲をみせた。

 一方、2013大会(2013 Tour de France)王者でスカイ(Sky Pro Cycling)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)は、自分のスタイルに合わないとして2015年大会を見送り、ジロに集中する可能性を示唆している。

 コンタドールは、コースがここ数年のツール・ド・フランスで最難関であると認めながらも、詳しく研究し、ジロとともに大会制覇を目指すとしている。

 合計7つの山岳ステージが組まれた2015年大会の日程についてコンタドールは、「気に入ってるよ。ここ数年でより厳しい勝負になりそうだから、(ジロのあと)レースに向けて入念に体調を整えていく必要がある」と語った。

 シャンゼリゼ(Champs Elysee)でゴールを迎える前日の第20ステージは、伝説の峠ラルプデュエズ(Alped'Huez)で行われ、大会最後の天王山を飾ることになる。

 2007年大会と2009年大会王者のコンタドールは、「最後まで体力を温存しておく必要があるし、スプリントでの速さも要求される。実にハードルが高い大会だ」と語った。

 コンタドールはまた、初日に行われる14キロメートルの個人タイムトライアルについて短いと指摘している。通常50キロメートル以上に及ぶタイムトライアルでは、タイトルの行方を左右することもある。

 山岳コースが得意で策士でもあるコンタドールは、「(チーム・タイムトライアルも含めて)遅れずに最初の週を乗り切ることが肝心となる一方で、この大会では特に通常よりも多くの山頂を目指すコースに対処していくことになるだろう」と述べた。 

 さらにコンタドールは、「山岳ステージの地形をみると、興味深い戦術が必要になるが、とにかく最後まで力強い意志で臨むことだ」と警戒した。

 2014年大会(2014 Tour de France)の第10ステージで転倒し、脚を骨折したコンタドールは、9月に開催された第69回ブエルタ・ア・エスパーニャ(69th Vuelta a Espana)でフルームとの勝負を制し、総合優勝に輝いた。

 一方、タイムトライアルでも果敢に攻めるモビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)は、今回のコースを歓迎しているが、ブエルタの第11ステージでは激しい転倒により途中棄権を余儀なくされている。

 キンタナは、13キロメートルに及ぶ砂利道の第4ステージについて、「タイムトライアルの距離はかなり短く、山岳ステージが多いから僕に向いているよ。唯一の不安は砂利道だね」とコメントした。

 2014年大会で総合4位に入ったチームリーダーのアレハンドロ・バルベルデ(Alejandro Valverde、スペイン)は、タイムトライアルが大幅に縮小された日程に驚きを隠さなかった。

 今年のブエルタでは総合3位に入ったバルベルデは、「いつも言っているように、ツール・ド・フランスには出場するべきだと思っているし、ナイロにとって完璧に向いているコースなのだからなおさらだ。ブエルタで彼が転倒する前のように、僕らは強力なペアになるよ」と述べた。(c)AFP