【10月22日 AFP】シリア北部の要衝の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)を防衛するクルド人部隊は22日、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の新たな攻撃を切り抜け、イラクからの増援の到着を待った。

 監視団体や目撃者によると、48時間ほど続いたイスラム国による、自爆攻撃を含む激しい攻勢は22日、一時停止した。

 英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は21日夜、過去24時間でイスラム国戦闘員30人とクルド人戦闘員11人が死亡したと述べ、イスラム国はコバニの戦闘で死者が出ていることを受けて戦闘員を補充していると付け加えた。

 トルコは20日、従来の政策を大きく転換し、コバニで包囲されている戦闘員らを救助するため、イラクからのクルド人部隊を支援すると発表した。イラクのクルド人部隊幹部によると、同部隊は訓練を提供するものの、実際に派遣される部隊はシリアのクルド人部隊になるという。

 だが地元のクルド人当局者、イドリス・ナッセン(Idris Nassen)氏は21日、AFPの取材に対し、増援部隊はまだ到着しておらず、いつになるか「全く分からない」と語った。

 これについてトルコのメブリュト・チャブシュオール(Mevlut Cavusoglu)外相は、クルド人戦闘員がまだトルコからコバニへ越境していないことを認め、「この問題は現在も議論中だ」と説明した。(c)AFP/Fulya Ozerkan with Mohamad Ali Harissi in Beirut