【10月22日 AFP】ウクライナ政府軍と親ロシア派武装勢力の戦闘によりここ数週間で数十人の民間人が死亡しているウクライナ東部のドネツク(Donetsk)で負傷者の治療に当たっている医師らが21日、政府軍がクラスター爆弾を使用していると証言した。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights WatchHRW)は20日、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)と共同で行った詳細な調査の報告書を発表し、その中でドネツクとその周辺で今月に入りクラスター爆弾が使われた12例を特定し、スイス人援助関係者1人を含む6人が死亡したとしていた。医師らの証言はこれを裏付ける形になった。

 ウクライナ政府は同国軍によるクラスター爆弾の使用を強く否定しているが、ドネツク市内の病院でここ数週間、民間人負傷者の治療に当たっているある医師は、「ウクライナ側が使用したクラスター爆弾の子爆弾の破片を負傷者の体から何度も除去した」と述べた。

 クラスター爆弾は空爆やロケット砲で使用され、サッカー場ほどの広い範囲に数十個から数百個の子爆弾を無差別にばらまく武器。米国、ロシア、ウクライナは世界の多くの国が署名しているクラスター爆弾の使用などを禁止する条約に署名していない。(c)AFP/Nicolas MILETITCH