【10月22日 AFP】アフリカ大陸以外でエボラウイルスに感染した初の患者となったスペイン人看護師、テレサ・ロメロ(Teresa Romero)さん(44)の治癒が確認された。治療を担当する医師らが21日発表した。欧州でのエボラ熱拡大の懸念を緩和する朗報だ。

 ロメロさんが入院している首都マドリード(Madrid)のカルロス3世病院(Carlos III Hospital)の医師らによると、最終確認となる2度目のウイルス検査の結果、ロメロさんの体内からエボラウイルスが完全に消滅したことが判明したという。同院感染症科のホセ・ラモン・アリバス(Jose Ramon Arribas)部長は記者会見で、「世界保健機関(World Health OrganizationWHO)が定めるエボラ出血熱の治癒の条件が満たされた」ことを明らかにした。

 スペインではここ2週間にわたり、ロメロさんに対し世間からの同情が集まると同時に、安全対策や医療部門での経費節減を疑問視する声が高まっていた。ロメロさん治癒のニュースは、安堵をもって受け止められている。

 ロメロさんの担当医の一人は、「これまで厳しく不安な時間を過ごしてきたが、今少しずつトンネルの出口の光が見えてきた。喜ばしい検査結果だ」と語った。

 当局者らは先に、ロメロさんがエボラ出血熱から回復した元患者の血清の投与を受けたことを明らかにしている。しかし医師らは、治療方法に関するさらに詳しい情報については公表しない方針を示している。(c)AFP/Daniel SILVA