【10月22日 AFP】英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は21日、シリア北部の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)を防衛するクルド人部隊に向け米軍が投下した武器の一部が、同町への攻撃を続けるイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の手に渡ったと発表した。

 米軍は、この情報の真偽は不明としつつも、パラシュートに取り付けられた箱とみられる物を持つ覆面の戦闘員が写った動画を調べていることを明らかにした。インターネット上に投稿されたこの動画には、「米国の航空機がコバニのイスラム国制圧地域に投下した武器と弾薬」とのタイトルがつけられ、ロケット弾や手投げ弾が詰まった木箱を開ける戦闘員が写っている。

 米軍は19日夜、コバニを防衛するクルド人部隊を支援するため、武器や弾薬、医療品が入ったパラシュート付きの箱を投下していた。

 シリア人権監視団によると、イスラム国は投下物資のうちの1個を入手。さらに2個目も手に入れた可能性がある。一部の情報筋は、2個の物資がイスラム国の手に渡ったとしているが、ミスに気付いた米主導の有志連合の戦闘機がうち1個を破壊したとの情報もある。

 中東の米軍部隊を指揮する米中央軍(US Central Command)は20日、投下した27個の物資のうち1個が予定とは違う場所に投下されたが、イスラム国に奪取されるのを防ぐために米軍の戦闘機によって破壊されたと発表していた。(c)AFP