【10月21日 AFP】ドイツ・ボン(Bonn)で20日、気候変動対策の新たな枠組みについて協議する国連(UN)の特別作業部会が6日間の日程で開幕した。先月の世界全体の平均気温が観測史上最も高かったことも発表されており、各国は利害対立を克服していくよう要請を受けた。

 国連気候変動枠組み条約(UN Framework Convention on Climate ChangeUNFCCC)のクリスティアーナ・フィゲレス(Christiana Figueres)事務局長は各国の交渉担当者らに対し、気候変動に歯止めをかけるため米ニューヨーク(New York)で先月23日に開かれた国連気候変動サミットで新たに定められた達成目標を受けて「懸け橋を築いていこう」と呼び掛けた。

 またフィゲレス氏は、今年12月にペルーの首都リマ(Lima)で開かれる閣僚級会合を前に、ボンでの会合で土台を築いておかなければならないと訴えた。ペルーでの閣僚級会合では、来年12月にフランス・パリ(Paris)で開かれる会議で温暖化対策の新たな枠組みを決められるよう、筋道をつけることになっている。新枠組みには、先進国だけではなく発展途上国も含む全ての国が参加することになっている。

 ボンでの特別作業部会で交渉担当者らは、温暖化の原因となっている温室効果ガスの排出量制限をめぐり、長く続いてきた対立に向き合わなければならない。排出量削減の目的は、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2度未満までに抑え、気候変動がもたらし得る壊滅的な被害から地球を守ることにある。

 フィゲレス氏は2020年に発効予定の新たな気候変動枠組み条約により、増加の一途をたどっている温室効果ガスの排出量を、以後決して増加に転じることのないようしっかり抑制していかなければならないと強調している。

 しかし、同条約そのものの法的な位置づけをはじめ、監視や取り締まりをどのように行っていくかなど、解決を要する細かい問題は山積している。

■観測史上最高に暑かった9月

 一方、米海洋大気局(National Oceanic and Atmospheric AdministrationNOAA)は20日、今年9月の世界の平均気温は、信頼できるデータがある1880年以降では9月として最も高かったと発表した。

 NOAAによると、9月の世界平均気温は15.72度で、20世紀の9月の平均気温を0.72度上回った。さらにNOAAは、「2014年のこれまでの月間平均気温は、2月を除き全てが史上4位までに入る高さになっており、うち5・6・8・9月は観測史上最高だった」ことも明らかにした。(c)AFP/Mariette LE ROUX