【10月20日 AFP】ニュージーランドのラグビーリーグは、同国代表が試合前に披露する民族舞踊「ハカ(Haka)」に対し、オーストラリアの選手が「無礼な態度」をとったとして、これを非難した。

 事の発端は19日、オークランド(Auckland)で行われたジュニアリーグの試合で、ニュージーランドの選手がハカを披露している際に、オーストラリアの選手が腕を組みながら近づいていったという。この結果、事態はあわや大乱闘というところまで発展し、U-20の選手たちは相手をにらみつけながら、お互いを突き飛ばした。

 大会本部がなんとか事態を収拾したが、豪ブリスベーン(Brisbane)のブリスベーン・クーリエメール(Brisbane Courier-Mail)紙は、これを「史上最高にアグレッシブなハカ」と報じた。

 先住民マオリ(Maori)の伝統的な舞踊に対する軽率な行動について、ニュージーランドのラグビーリーグ会長は、失望したと語っている。

 ニュージーランドのフェアファックス・メディア(Fairfax Media)に対し、会長は「オーストラリアの選手たちが近づき、にらみ合いに発展したことは、挑発的で無礼だ」とコメントし、ハカは文化的な誇りを示すものであって、「けんかの機会を提供するものではない」と不快感をあらわにした。

 試合は、15-14でニュージーランド代表が勝利している。

 近年、国際ラグビー評議会(The International Rugby BoardIRB)はルールを定め、ハカを前にしたチームは、ハーフウエーラインから最低10メートル離れなければいけないことになっている。

 ハカは昔から男性が踊るものとされているが、1997年にバリ(Bali)島で行われたコンサートで、英ポップグループ「スパイス・ガールズ(Spice Girls)」が即興のハカを披露し、文化的な気遣いが足りないとして批判にさらされた。

 2007年には、ニュージーランドの製パン業者が、ジンジャーブレッドのキャラクターがハカを踊るアニメコマーシャルを流し、議論を呼んだ。(c)AFP