【10月21日 AFP】国際エネルギー機関(International Energy AgencyIEA)は前週、サハラ以南アフリカ地域の経済的、社会的な繁栄を支えるため、エネルギー部門に大改革が必要だと提言した。

 IEAはロンドン(London)で記者会見し、初の「アフリカエネルギー見通し(Africa Energy Outlook)」を発表。サハラ以南のアフリカでは現在、人口の3分の2に相当する6億2000万人が電力のない中で暮らしており、近代的なエネルギー形態の利用機会を増やすことが肝要だと提言した。

 IEAのマリア・ファンデルフーフェン(Maria van der Hoeven)事務長は「サハラ以南アフリカの市民がその大きな望みをかなえるためには、今以上に機能するエネルギー部門が不可欠だ。(それどころか)エネルギー部門は現状、開発のブレーキになっている。だがこれは乗り越えることが可能であり、その成功の恩恵は極めて大きい」と述べた。

 IEAによると、サハラ以南アフリカでは、木炭やまきなどバイオマス由来の固形燃料の使用が、他の形態の燃料すべてを合わせたよりも上回っており、7億3000万人近くが危険で非効率な調理方法を余儀なくされているという。

 IEAは、停電の半減と全都市部での電力普及のため、発電部門に4500億ドル(約48兆円)の追加支援を提言。さらに、域内の協調と統合、資源管理の改善を呼び掛けた。

 IEAはこれらの改革により、サハラ以南アフリカの経済を2040年までに追加で約30%成長させることが可能であり、さらに一人当たり所得でも10年分の成長を追加で見込めると述べた。さらに、新たに2億3000万人に電力を供給できるようになると呼び掛けた。(c)AFP