【10月16日 AFP】約1億5000万年前に沿岸水域や河口に隠れすんでいた現代のワニの祖先は、鼻先から尾の先までの全長が9.26メートルもあったとの研究論文が15日、英国王立協会(Royal Society)のオンライン科学誌「ロイヤルソサエティー・オープンサイエンス(Royal Society Open Science)」に掲載された。

 古生物学者らの国際研究チームは今回の研究で、ワニ形上目(Crocodylomorpha)の通称マキモサウルス(Machimosaurus)の分類の再検討を行った。

 複数の博物館に収蔵されている歯、顎骨や頭骨の一部を調査・分類した結果、マキモサウルス属は欧州に生息していた3種とエチオピアの1種の計4種で構成されていたと研究チームは結論付けている。

 同属で最も小型の種は欧州種のマキモサウルス・ビュフェトーチ(Machimosaurus buffetauti)で推定全長は5.8メートル、最も大型の種はやはり欧州種のマキモサウルス・フギ(Machimosaurus hugii)で、推定全長は現代のワニの約1.5倍の9.26メートル。エチオピア種の全長については、信頼できる推定値は得られていない。

 この4種は、ワニ形上目の進化が急激に進んだ時代である約1億6100万年~1億4500万年前のジュラ紀後期に生息していたが、生息時期はそれぞれ異なっていた可能性が高いと研究チームは指摘している。

 論文によると、マキモサウルスはカメや硬いうろこを持つ魚などを餌にしていたと思われるという。(c)AFP