【10月15日 AFP】ローマ法王庁(バチカン)が、同性愛の信者らに対するより肯定的な姿勢を求める報告書を公表したことを受け、ローマ・カトリック教会の司教らは14日、同性愛関係に根本的に反対し続ける姿勢を表明した。一方、バチカンの広報部も、報告書が与えた影響の火消しに動いた。

 家族のあり方に関するカトリック教会の教義を見直すためにバチカンで開催中の「世界代表司教会議」では13日、「同性愛者たちにはキリスト教コミュニティーへの貢献となる資質がある」とした上で、教会は同性愛者らに歩み寄るべきと提案する中間報告書が公表され、世界中に波紋を呼び起こした。

 保守派からは、フランシスコ(Francis)法王の支持を受けるバチカンのリベラル派が推進してきた改革政策に反発する動きが出ている。バチカンが発表した最新の議事録要旨によると、会議に出席する司教らは、同性愛者コミュニティーに送るメッセージへの「適切な慎重さ」を求め、「教会側にそのような傾向(同性愛)に対する肯定的な評価があるという印象が生じないよう」にする必要性を訴えた。

 報告書の受け止められ方に対する懸念を反映するかのように、バチカンの広報部も14日、中間報告書は大きな意味合いを持つものではないと指摘。これは単なる暫定報告書であり、必要以上の重要性を与えられてしまったと強調した。

 世界代表司教会議は非公開であるため、同性愛や同居カップル、離婚した信者の扱いなどの議題について、どのような対立が実際に起きているかを知ることは困難だ。同会議は19日に閉幕し、来年10月に再び司教と一般信者らの参加する会議が開かれる。その後、フランシスコ法王が最終的な結論を発表する予定で、2016年初頭が見込まれている。(c)AFP/Angus MACKINNON