【10月14日 AFP】国際食糧政策研究所(International Food Policy Research InstituteIFPRI)は13日、ビタミンやミネラルが欠乏する「隠れた飢餓」について、世界20億人を超える人々が影響を受けており、しばしば深刻な結果を招いていると警鐘を鳴らした。

 IFPRIは、「世界の飢餓指標(Global Hunger Index)」の報告の中で、世界16か国での飢餓レベルが「非常に憂慮すべき」または「憂慮すべき」状況にあることが確認されたと報告するとともに、栄養素の不足から生じる「隠れた飢餓」の削減に取り組む必要性を強調した。

 米首都ワシントン(Washington, DC)に本部を置く同研究所は「『隠れた飢餓』に苦しむ人たちは世界に20億人以上。この数字は、食事から十分なカロリー摂取ができない8億500万人の2倍以上に上る」と報告している。

 また、ビタミンやミネラルといった栄養素が不足すると、健康への不可逆的な影響を長期間にわたって受ける他、社会経済的な影響から人々の幸福と発展を損なう可能性もある。報告書は「人々の生産性に影響を与えることから、国レベルで経済に打撃を与えるかもしれない」とした。

 隠れた飢餓について報告書は、貧しい食生活や疾病および感染症、寄生虫などの健康問題、さらには妊娠中や幼少期など特定のライフステージで微量栄養素の必要量が増加することなどが原因で引き起こされるとしている。

 報告書はまた、多くの発展途上国では、栄養不足、微量栄養素の欠如、肥満といった「栄養不良の三重苦」に直面しているとしている。(c)AFP/Marianne Barriaux