【10月12日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」は11日未明、トルコと国境を接するシリア北部の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)中心部に向けて攻勢をかけたが、防衛に当たっているクルド人部隊に進撃を阻止されて後退した。

 イスラム国側は前日の10日、アインアルアラブにあるクルド人部隊の司令部を制圧していた。非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、アインアルアラブでは11日に約1時間半にわたる激しい戦闘があり、米軍をはじめとする有志国連合は町の南と東で2度の空爆を実施した。

 砂嵐のためそれ以上の空爆はなかったが、アインアルアラブ南部と、制圧された司令部の近くで激しい戦闘が繰り広げられた。シリア人権監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)氏はAFPに、クルド人部隊は少人数のグループに分かれて、町を包囲しているイスラム国側を戦線のあちこちで襲撃していると語った。

 シリア内戦の和平を仲介する国連(UN)のスタファン・デミストゥラ(Staffan de Mistura)特使は、アインアルアラブはトルコ国境に抜ける狭い1か所を除き「文字通り包囲されている」と指摘し、アインアルアラブ防衛のため、義勇兵と装備が送り届けられるようにしてほしいとトルコ政府に要請した。(c)AFP/Burak Akinci with Mohamad Ali Harissi in Beirut