【10月11日 AFP】次期行政長官選を民主的に行うよう求めて学生団体などが抗議行動を続けている香港(Hong Kong)で10日夜、推定で1万5000人を超える人たちがデモ指導者たちの呼びかけに応じ、抗議行動の主要な舞台になっている政府庁舎の向かい側の幹線道路に集まった。

 デモ隊と香港政府は10日に対話を行う予定だったが、デモ隊が抗議行動を拡大させる構えを示したことに態度を硬化させた政府側は9日、対話を見送ると発表していた。

 現地のAFP記者によると、10日夜は時間の経過とともにデモ参加者の数が膨れあがった。デモ隊の指導者たちは演説し、参加者は「占拠を続けろ」とシュプレヒコールを上げたり、ヒットしたミュージカル「レ・ミゼラブル(Les Miserables)」の劇中歌「民衆の歌(Do You Hear The People Sing?)」を広東語で歌ったりした。

 数万人が集まった先週のデモよりも規模は小さかったが、テントや携帯シャワー、さらには簡易ベッドまで運び込まれるなど、抗議行動は長期化の様相を呈してきた。

 学生指導者らは10日、政府との妥協点を見つけ出す用意はあると主張した一方、抗議行動が引き起こした混乱で一般市民の怒りが高まっているにもかかわらず香港の数か所での占拠を続ける方針を示した。

 香港大学生連合会(学連、Hong Kong Federation of StudentsHKFS)のアレックス・チョウ(Alex Chow)事務局長は、「多くの人が私たちにあきらめて帰れと言ったが、10年から20年後に歴史を振り返った時、香港の民衆は今、新たな歴史を切り開いていることが分かるだろう」と述べた。

 学生リーダーのジョシュア・ウォン(Joshua Wong)さんは、デモ支持者らに「政府庁舎前の道路にテントを持ってきて、長期占拠でわれわれの粘り強さを示そう」と呼びかけた。(c)AFP/Jerome TAYLOR, Dennis CHONG