【10月10日 AFP】アフリカ大陸以外でエボラウイルスに感染した唯一の患者とされるスペイン人看護師は9日容体が悪化し、「深刻な生命の危機」にあると、同国の当局者らが明らかにした。

 マドリード(Madrid)自治州のイグナシオ・ゴンサレス(Ignacio Gonzalez)首相が議会で明らかにしたところによると、この女性看護師テレサ・ロメロ(Teresa Romero)さん(44)の容体は「重篤で、ウイルスの影響により深刻な生命の危機にある」という。

 一方ロメロさんが入院しているカルロス3世病院(Carlos III Hospital)の広報担当者は記者団に対し「容体は悪化している」と話すにとどまり、患者本人の希望により「これ以上の情報は伝えられない」とした。

 アナ・マト(Ana Mato)保健相は声明で、政府は「欧州の勧告のさらに上を行くエボラ対策の策定」を目指して尽力していると述べた。

 病院関係者らの話では、ロメロさんはエボラウイルスに感染した後に回復を果たした元患者の血液から抽出した抗体の注射を受けているとされていた。

 しかし9日に病院を訪れたロメロさんの兄弟のホセ・ラモン(Jose Ramon)さんは、医師らは別の治療に移るはずだと考えていると伝えた。またラモンさんは、ロメロさんは挿管されていると思うと語ったものの、病院側はこれを否定している。(c)AFP/Roland LLOYD PARRY