【10月10日 AFP】第45回世界体操競技選手権(45th World Artistic Gymnastics Championships)は9日、男子個人総合の決勝が行われ、内村航平(Kohei Uchimura)が最多記録を塗り替える5連覇を達成した。

 「王者」のニックネームを持つロンドン五輪同種目金メダリストの内村は、6種目で91.965点を記録し、90.473点のマックス・ウィットロック(Max Whitlock、英国)を2位に抑えた。3位には90.449点で田中佑典(Yusuke Tanaka)が入り、銅メダルを手にした。

 2種目目のあん馬で首位に立った内村は、その後リードを譲ることはなかったが、今年のコモンウェルスゲームズ(2014 Commonwealth Games、英連邦競技大会)で個人総合を制した21歳のウィットロックが第3班ながらも0.067点と僅差に迫っていた。

 内村は、強さ、一貫性、そして芸術性を誇示し、最初のゆかと4種目目の跳馬で全体1位を獲得。ウィットロックはあん馬で16.00点を記録し、1位となった。

 成熟の域に達するまでに、しなければならないことがあるという内村は、「ゆかから跳馬までは着地が止まってくれた」としたものの、「平行棒と鉄棒がしんどかった。結果ではなく、いつもどんな演技だったかに重点を置いているので」とコメントした。

 ほぼ間違いなく史上最高の体操選手である内村はこの夜、南寧(Nanning)で最後の演技者として、複雑な空中動作を見せながら着実に鉄棒を握り直した。

 着地ではわずかに前方へ足が出たが、これが総合争いの大勢に影響を与えることはなかった。

「大会というのは、毎日の練習をただただ反映しているもの。最高の練習の結果を、どれだけ完璧な形で大会でのパフォーマンスにつなげられるかを考えられるようにしている。それができれば、心の底から結果に満足できる」

 2016年のリオデジャネイロ五輪への出場を明言している内村は、2008年の北京五輪で2位になって以降は無敗を誇っている。(c)AFP/Shigemi SATO