【10月7日 AFP】米ハリウッド(Hollywood)俳優のベン・アフレック(Ben Affleck)さんが、出演した番組で、世界中のイスラム教徒たちを熱心に弁護した──。イスラム教への「理解を深めようとしない」リベラル派が司会を務める番組での一幕だ。

 進歩的な考え方を持つことで知られるアフレックさんは3日、米ケーブルテレビHBOのトーク番組『Real Time with Bill Maher』で最新映画『ゴーンガール(Gone Girl)』のPRを行っていたところ、話題がイスラム教に移った。

 そこで別のゲストで哲学者のサム・ハリス(Sam Harris)氏が、「現在のイスラム教は、よからぬ考えの主脈だ」と発言すると、アフレックさんは即座に「それではあなたは『イスラム嫌悪』は現実ではないとでも言いたいのですか」と切り返した。

 アフレックさんは、1978~81年にイランで起きた米国人人質事件を描いた2012年公開の政治サスペンス映画『アルゴ(Argo)』を手掛け、米アカデミー賞(Academy Awards)を受賞した。

 番組の司会者ビル・マー(Bill Maher)氏は、「なぜそれほどむきになるのか」とハリス氏を擁護すると、明らかに不満な様子のアフレックさんは、この世界第2の信仰に対する大ざっぱな描写は、誰かを「ずる賢いユダヤ人」と呼ぶのと同じで「人種差別的」だと反論した。

「イスラム教徒の中には、女性を罰するような狂信的な信者ではなく、普通に学校へ行き、サンドイッチを食べ、1日に5回の祈りを捧げ、イスラム教徒なら誰もがすると信じられていることをしない人たちが10億人以上いる」

 また「私たちが殺したイスラム教徒の数は、イスラム教徒に殺された人の数よりもはるかに多い」と述べつつ、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織イスラム国(Islamic State)メンバーの数は、全世界のイスラム教徒の数からみるとほんの一部に限られるとした。

 このアフレックさんの発言に対してマー氏は動じることなく、イスラム教を「マフィアのような宗教だ」としながら、「発言や絵画、書籍に間違いがあった場合には相手を殺害する」と述べた。

 この金曜夜の番組については、週が明けた月曜朝も人々の間で話題となっていた。マー氏は6日、オンラインニュースサイト「Salon.com」とのインタビューで、「私たちは『(人の話に耳を貸さないような)頑固な人間』ではない。自由主義の原理のために立ち上がろうとしているだけ」とコメントしたが、アフレックさんが感情的になることは予想していたかとの質問に対しては、「それについては話したくない」と答えている。(c)AFP