【10月5日 AFP】1971年に19歳で大統領に就任してから1986年に国外に脱出するまでハイチの独裁政権を率いたジャンクロード・デュバリエ(Jean-Claude Duvalier)元大統領が4日、心臓発作のため死去した。63歳だった。

「ベビー・ドク(Baby Doc)」という愛称で知られた元大統領の死は、独裁体制を敷いた父親のフランソワ・デュバリエ(Francois Duvalier)元大統領からジャンクロード氏に受け継がれたハイチの暗黒の時代の終わりを意味する。

 医師からポピュリスト的な政治家に転じ 「パパ・ドク(Papa Doc)」と呼ばれたフランソワ氏は、大統領に就任すると独裁者に変貌し、貧しい祖国を私物化した。その無慈悲な父親から政権を受け継いだジャンクロード氏はハイチを一層、荒廃させ、国外に脱出するまでに3億ドル(約330億円)を不正に蓄財したとされる。人権活動家らによると、デュバリエ親子が政権を掌握していた間にハイチでは、約3万人が殺害されたとみられている。

 ジャンクロード氏は25年に及んだ国外逃亡の後、2011年に帰国。大統領在任中の汚職や公金横領で訴追されたが裁判は迅速には進まず、全面的に法の裁きを受けることはなかった。(c)AFP/Clarens RENOIS