【10月3日 AFP】南シナ海における防衛力を強化するため、米政府は2日、ベトナムに対する武器禁輸措置を40年ぶりに一部解除すると発表した。中国の反発が予想される。

 米国は1975年のベトナム戦争終結後、ベトナムへの武器輸出を凍結していた。元敵国の武器輸出解禁は米国にとって歴史的な決定。国務省は、解禁対象は海上警備に関する装備に限定されることや、ベトナムの人権状況が「若干の」改善をみせる中で両国関係が修復されつつある点を強調している。

 国務省高官によると、ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官が2日、ベトナムのファム・ビン・ミン(Pham Binh Minh)副首相兼外相との会談の中で「海上警備目的に限定し、殺傷力のある武器も含む防衛装備の移送を認める」よう、米政府が政策の見直しに動いていることを伝えた。

 戦車など殺傷力の強い他の兵器は今後も禁輸対象で、米政府としては引き続きベトナム政府に対し人権状況の改善を求めていくという。

 米高官らは、今回の方針変更について「対中国」を念頭においた対応ではなく、具体的な輸出の予定もないとしつつ、ベトナム側から要望を受けた場合は「ケース・バイ・ケース」で検討すると述べている。(c)AFP/Jo Biddle