【10月2日 AFP】親ロシア派が支配するウクライナ東部ドネツク(Donetsk)市で1日、学校とバス停が砲撃を受け、新学期初日に登校した教師や保護者を含む10人が死亡した。ウクライナ政府と親ロシア分離派の間で9月に停戦合意が結ばれて以降、1回の攻撃によるものとしては最多の民間人犠牲者数となった。

 政府支配下のマリウポリ(Mariupol)市に拠点を置く親政府派のドネツク州政府は、親露派が樹立を宣言した「ドネツク人民共和国(Donetsk People's Republic)」のメンバーがドネツク市の学校を砲撃したと非難している。

 同州政府の声明によると、砲撃により大人4人が死亡。さらにもう1発の砲弾が学校から約500メートル離れたバス停のミニバスを直撃し、6人が死亡したという。

 ドネツク市当局筋がAFPに語ったところでは、砲撃は学校の児童70人が学校初日の集会で整列した後に起きた。新学期は通常、9月1日に始まるが、同市では戦闘が続いているため親露派側が延期していた。

 親露派のウェブサイト「DNR」は、ウクライナによる砲撃と非難。親露派は使用された武器を所有していないと主張し、学校の警備員2人も犠牲になったと説明している。ロシアのメディアと分離派のウェブサイトは、学校から約4キロ離れた空港近くのアパートから攻撃を行う親露派の映像を公開している。

 ウクライナ東部ここ数日間にわたり激しい衝突が起きており、政府と親露派は停戦合意に違反したとして双方を非難している。(c)AFP/Simon VALMARY with Maria ANTONOVA in Kiev