【10月1日 AFP】米国の子どもらの間で確認されている珍しいウイルス性呼吸器疾患の件数が、過去数か月間で400以上となるなか、コロラド(Colorado)州では一部の若年患者に突発性のまひ症状もみられるとされ、医師たちの間でウイルスの突然変異を懸念する声が上がっている。

 保健当局は、喘鳴(ぜんめい)とせきを引き起こすエンテロウイルス68型(D68)感染症の米国各地での流行と、8月初頭にコロラドで四肢の筋力低下で9人の子どもが入院した時期が重なったことから、これら2疾患間での関連性について調査を進めている。

 米疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)は29日、コロラド州の子どもら9人について、「呼吸器疾患の後に神経疾患を発症した」ことを明らかにした。

 過去2か月間に1歳~18歳の若年層でこのウイルスが流行した理由については現在、専門家らによる解明作業が進められている。まひの症状が出ている9人の子どもたちの8人はポリオワクチンを受けていた。

 報告によると、一部患者の症状は改善しつつあるが、まひの症状が残る可能性については、現時点で不明だという。

 専門家によると、まひの症状がコロラド州でのみ確認されていることから、ウイルスが突然変異を起こしている可能性も否めないという。 (c)AFP/Kerry SHERIDAN