【10月1日 AFP】米インターネット競売大手イーベイ(eBay)は9月30日、オンライン決済サービス部門「ペイパル(PayPal)」を来年にも分社化させる計画を発表した。ペイパルを切り離すことで、変化の速いオンライン決済の分野での競争力を高めるのが狙い。

 今回の決定は、著名な投資家で株主活動家のカール・アイカーン(Carl Icahn)氏らが数か月にわたって主張してきた要求をのんだ形となった。アイカーン氏らは、イーベイの経営判断の甘さを指摘。ペイパルを傘下に置き続けることで、両社の価値が押し下げられていると主張していた。

 イーベイは2002年、ネットオークションではすでに幅広く利用されていたオンライン決済システムのペイパルを株価に基づき、15億ドル(約1650億円)で買収した。

 その後、ペイパルは単なるイーベイのオンライン決済システムにとどまらず、事業規模を拡大。イーベイによると現在、オンライン上で決済される6ドルのうち1ドルはペイパルを通じて行われている。過去12か月間に行われたオンライン決済のうちおよそ2030億ドル(約22兆3000億円)が、ペイパルを通じて支払われた計算になる。

 ペイパルはまた、決済システムを提供するブレインツリー(Braintree)の買収により、モバイルアプリを通じたクレジットカード決済の分野にも進出。自社のモバイルプラットフォーム、「ワンタッチ(OneTouch)」の強化にも力を注いでいる。(c)AFP/Sophie ESTIENNE