【10月1日 AFP】9月にそれぞれ独自の探査機を火星の周回軌道に到達させたばかりの米国とインドは30日、将来の火星探査について協力することで合意した。

 カナダ・トロント(Toronto)で開かれた米航空宇宙局(NASA)のチャールズ・ボールデン(Charles Bolden)長官とインド宇宙研究機関(Indian Space Research OrganisationISRO)のコッピリル・ラダクリシュナン(Koppillil Radhakrishnan)理事長との会合で、2つの協定が締結された。

 協定の1つは「将来の火星探査共同ミッション実現に向けた道を開く」もので、もう1つは地球観測衛星に関する協力体制を図るものだ。

 これらの協定についてNASAは、2国間の協力関係により、火星探査に関してNASAとISROが共通して掲げる科学的、プログラム的、技術的な目標を特定し、実行する共同の火星作業部会『Mars Working Group』」を創設する道が開かれるとしており、「将来の火星探査ミッションにおけるNASAとISROの協力の可能性を含む協力的活動を計画するための会合を年1回開く予定」としている。

 またNASAによると、同作業部会は「NASAの火星探査機メイブン(MAVENMars Atmosphere and Volatile EvolutionN)とISROのマーズ・オービター・ミッション(Mars Orbiter MissionMOM)とで共同の観測や科学分析を行う可能性を探る」ことも計画しているという。

 9月21日に火星の周回軌道に到達したNASAのMAVENは、火星の上層大気の調査を目的としている。一方、インドが火星に向けて打ち上げた初の宇宙探査機であるISROのMOMは、9月23日に火星に到達。ミッションの目的は火星の表面と大気の調査だ。

 両国宇宙当局による「NASA-ISRO合成開口レーダー(NASA-ISRO Synthetic Aperture RadarNISAR)」と呼ばれる地球観測衛星プロジェクトは、2020年の開始を目指している。(c)AFP