【9月30日 AFP】第17回アジア競技大会(17th Asian GamesAsiad)は29日、サッカー女子準決勝が行われ、北朝鮮が2-1で韓国に勝利した。

 もう一試合の準決勝では、2010年大会決勝で北朝鮮を下した日本が、阪口夢穂(Mizuho Sakaguchi)、長船加奈(Kana Osafune)、菅澤優衣香(Yuika Sugasawa)の得点でベトナムに3-0で勝利した。

 ロスタイムのゴールで宿敵韓国に勝利を収めた北朝鮮は、決勝で前回大会の雪辱を期すことになる。

 北朝鮮は試合終了間際、途中出場のホ・ウンビョル(Ho Un-Byol)が韓国守備陣のミスを突き決勝ゴールを決めた。この劇的な幕切れに、北朝鮮が歓喜の涙を流す一方で、韓国は絶望の涙に暮れた。

 今大会の準決勝で初対戦を果たした北朝鮮と韓国の試合では、両国の観衆が異様な光景を繰り広げていた。

 観客席では、約1000人の年配者が集合した韓国サポーターと約1000人の中年層で占められた北朝鮮応援団の双方が、1950~53年に行われた朝鮮戦争以来分断されていた朝鮮半島の再統一を叫んでいた。

 この政治的主張の大合唱により、約30人の北朝鮮選手団と約500人の一般の韓国サッカーファンの声援はかき消されてしまった。

 両国の女子サッカーチームの間には何のトラブルもなく、国家の威信を懸けて90分間ボールを競っていた。(c)AFP/Lim Chang-Won