【9月29日 AFP】韓国で開催されている第17回アジア競技大会(17th Asian GamesAsiad)では、観客数に伸び悩んでいるものの、主催者側は今大会が低予算で運営されるアジアの模範的なイベントになるはずだと主張している。

 大会用に多くのスタジアムが建設され、仁川(Incheon)市西部で15日間の日程で行われている今大会では、これまで多くの競技で空席状態となっている。

 台湾勢として初めてテニスの四大大会(グランドスラム)女子ダブルスで優勝した謝淑薇(Su-Wei Hsieh、シェ・スーウェイ)を擁する台湾チームが、女子団体戦決勝で中国を破った試合では、観客数が100人にも満たなかった。

 さらに、サッカーの試合では、それ以上に少ない観衆のなかで行われた。

 大会を開催する仁川の市長は、総額20億ドル(約2130億円)が費やされた今大会で、市が赤字を抱えることを懸念している。

 大会は佳境を迎えているが、運営委員会がこれまで売り上げたチケットは、230億ウォン(約24億円)にとどまり、当初の目標額に7割も届いていない。

 組織委員会の幹部は、AFPに対し、「韓国でアジア大会が開催されるのは、仁川で3回目となり、一般市民の関心がそれほど高くないことは確かだ」と述べた。

 アジア大会で、スタジアムが閑散としてるのは珍しいことではなく、中国の広州(Guangzhou)で開催された2010年大会と、カタールのドーハ(Doha)で行われた2006年大会でも多くの空席がみられた。

 しかし、仁川のように予算を削った開催国は少ない。

 数十億ドルの赤字を計上したと伝えられる広州大会ではおよそ200億ドルが費やされ、ドーハ大会では、2006年当時で30億ドルが投じられた。北京五輪では400億ドル、ソチ冬季五輪では500億ドルが投入されたと推定されている。

 仁川の大会組織委は、質素なアジア大会が成功に転じると証明されることを期待している。

「アジア大会は、非常に効率的かつ経済的に行わなければならない。われわれは、アジア大会の開催を模索しているほかの国に対して、このメッセージを伝えたい」

「大国による一大スポーツの祭典とされてきたこれまでのアジア大会と違い、われわれは小国と分かち合える大会作りを目指している」

(c)AFP/Lim Chang-Won