【9月28日 AFP】ワールドワイドウェブ(World Wide WebWWW)の考案者として知られる英国のティム・バーナーズ・リー(Tim Berners-Lee)氏(59)は27日、WWWを支配することに関心を持つ各国政府や企業によってインターネットの自由が脅かされていると警告した。

 25年前にWWWの仕組みを考案し、インターネットの発展に向けた指針の策定にあたる非営利団体WWWコンソーシアム(World Wide Web Consortium)のディレクターを務めているバーナーズ・リー氏は、ネットの独立性とユーザーのプライバシーを保障するためのネット版「マグナカルタ(Magna Carta、大憲章)」の制定を呼び掛けた。マグナカルタとは、13世紀の英国で作られた文書で、のちに国民の権利と自由を守るための典拠とされた。

 インターネットの未来をテーマにロンドン(London)で開催されたイベント「Web We Want(ウェブ・ウィー・ウォント、私たちが望むウェブ)」に出席した同氏は、「一企業があなたのインターネットへのアクセスを管理することができ、あなたがどのウェブサイトを閲覧するかを管理できるとすれば、その企業はあなたの人生に対し、途方もなく大きな支配力を持っているということになる」と指摘。

 さらに、「ある国の政府が、あなたが野党のホームページを見ることを阻止できるとすれば、政府は権力を維持するため、現実に対するあなたの考えを偏狭なものにしてしまうことができる」と述べ、「開かれたインターネットを悪用する力が、突如として、政府や大企業にとって非常に魅力的なものになってしまった」などと語った。(c)AFP