【9月27日 AFP】インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は26日、初めて米国を訪問した。

 ニューヨーク(New York)に到着し、両方の手のひらを合わせて「ナマステ」と言うインドの伝統的なあいさつのしぐさを見せた首相は、27日に国連総会(UN General Assembly)で演説し、その後、首都ワシントンD.C.(Washington D.C.)に移動して来週バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領とホワイトハウス(White House)で会談する。

 オバマ大統領が国連総会開催中の会談にあまり応じていない中、米国がインドを優遇する姿勢が目立っている。冷戦(Cold War)終結後に二国間関係を改善してきた米国とインドは、イスラム過激派の脅威や中国の台頭に対して似通った立場を取っている。

 一方、数百万人の国民のための雇用創出を公約に掲げて選挙に勝利したモディ氏は特に、米国からの投資の呼び込みに強い意欲を示している。

 首相は財界首脳らとの面会も予定しているほか、28日にはニューヨークにある1万8200人収容のスポーツアリーナ、マディソン・スクエア・ガーデン(Madison Square Garden)でインド系アメリカ人の活動家らが主催する大規模なレセプションに出席する。

 2002年にインドのグジャラート(Gujarat)州で発生し、少なくとも1000人が死亡したとされる反イスラム教徒暴動への対応で当時同州の首相だったモディ氏は批判を受け、2005年には訪米のためのビザ発給を拒否された。活動家らは、首相のイメージ回復に向けて長年にわたって努力してきた。

 モディ首相は米国の自らに対する過去の対応に恨みを持つようなそぶりは一切見せず、世界の2大民主主義国家の緊密な連携を呼び掛けていた。

 今年行われたインドの総選挙でモディ氏率いるヒンズー至上主義のインド人民党(Bharatiya Janata PartyBJP)は圧勝し、約30年ぶりに単独過半数の議席を獲得した。(c)AFP/Shaun TANDON